秘書検定 第107回より

今回は第107回の過去問題の中から、正答率の低かった問題(選択問題)を紹介します。「領域」の内容や「選択肢の選び方」の片寄りなど、誤答の傾向をご指導にお役立てください。

3級(職務知識)

Q.次は秘書A子が,外出に関して心掛けていることである。中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。

1)上司が忙しそうに仕事をしているときは,なるべく外出しないようにしている。
2)銀行などは混雑することもあるので,戻る時間ははっきりしないと上司に言ってから行くようにしている。
3)外出するときは行き先を周りの人に言って,ついでに済ませる用事はないか尋ねてから行くようにしている。
4)時間がかかりそうな外出のときは,留守を同僚に頼み,上司にそのことを伝えてから出掛けるようにしている。
5)すぐに戻るつもりが都合ですぐに戻れなくなったときは,同僚に連絡して上司にそのことを伝えてもらうようにしている。

【解答・解説】

『 2 』 正答率 44%
秘書が外出するときは,行き先と戻る時間を上司に伝えるのが基本である。銀行などは混雑で予想以上に時間がかかることはあるが,大体の時間を言ってから出掛けないといけない。従って,戻る時間ははっきりしないと言うなどは不適当ということである。

コメント)
正答率を見るとさほど難しかった問題ではなかったと思います。5)を選んだ方が43%ともおり、2)と5)に分かれた結果になりました。5)を選んだ方は、直接上司に連絡をしなかったから不適当と判断をしたのではないでしょうか。直接上司と連絡を取るということは、電話口に出てもらうということになり、仕事を中断させることになります。「すぐに戻るつもり」くらいの外出ということなので、同僚に連絡をして伝えてもらう方が上司に配慮した行動ということです。

2級(技能)

Q.次は秘書A子が,上司宛ての郵便物に関して行ったことである。中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。

1)普通郵便の速達は開封し,上司に渡すときは他の郵便物の上に載せている。
2)差出人が個人名で手書きのものは,開封しないでそのまま上司に渡している。
3)上司に関心がないと思われるDMは,いちいち上司に確かめないで処分している。
4)宛て名が上司名になっていても担当者が別にいるときは,直接担当者に渡している。
5)封筒に「重要」と書かれたものは,受信簿に記録し開封せずにそのまま上司に渡している。

【解答・解説】

『5』 正答率21%
封筒に「重要」と書かれた郵便物は開封してはいけないものではないので,開封せずにそのまま上司に渡すなどは不適当。また,受信簿に記録する必要もない。

コメント)
選択肢4)を選んだ方が40%以上もいました。担当者が分かっているときは上司を通さなくてもよい事を伝えましょう。5)を選べなかった方は「親展」と間違えてしまったのかもしれません。よく使う外脇付けを覚えさせましょう。
親展・・・宛名人に開封するよう求める場合(秘書が開封してはいけない)
重要・・・特に大切な内容の場合(私信でなければ秘書が開封してよい)
至急・・・すぐに開封してほしい場合(秘書が開封してよい)

○○在中(請求書在中など)・・・内容物を示す(秘書が開封してよい)

準1級(マナー・接遇)

Q.次の「  」内は,山田部長秘書A子の来客に対する言葉遣いである。中から適当と思われるものを一つ選びなさい。

1)上司から案内するように指示されているということを
  「ご案内するようにと山田から言われております」
2)頼まれたことを調べているということを
  「ご依頼の件はただ今担当の者が調べてくれております」
3)無理なことを言われたとき
  「そのようにおっしゃいましても,お承りいたしかねますが」
4)上司への伝言を頼まれたとき
  「かしこまりました。山田が戻りましたらお電話するようにお伝えいたします」
5)聞かれたことに対して
  「お客さまがお尋ねいたしましたことは,後ほど山田からご説明させていただきます」

【解答・解説】

解答・解説 『1』 正答率21%
それぞれの適切な言い方は,2)調べてくれて→お調べして,3)お承り→承ることは,4)お伝えいたします→申し伝えます,5)お尋ねいたしました→お尋ねになりました,などである。

コメント)
解答が1)3)4)5)の4つに大きく分かれた問題です。考え方を問う問題ではありませんので、敬語をよく分かってない人が多いことが分かります。学生は普段使い慣れていない分苦手意識が強いようです。言葉遣いの問題はよく出題されます。なかなか覚えられない場合は、丸暗記させるのも手かもしれません。記述問題でも敬語は出題されます。
当社HPの中にある<ご指導のヒント>-<身に付けさせたい接遇用語>をご活用ください。

 

秘書検定 第106回より

今回は第106回の過去問題の中から、正答率の低かった問題(選択問題)を紹介します。「領域」の内容や「選択肢の選び方」の片寄りなど、誤答の傾向をご指導にお役立てください。

3級(職務知識)

Q.営業部長秘書A子は上司から、この書類を急いで経理部へ届けるようにと指示された。行こうとしたところ電話が鳴ったので出ると、取引先から面会の申し込みである。このような場合A子はどのようにするのがよいか。次の中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。

1)電話の相手に希望日時を聞いて、後で連絡すると言って電話を切り経理部へ行く。
2)電話を保留にして同僚に、書類を急いで経理部へ届けてもらいたいと頼み電話に出る。
3)電話を保留にして上司に、電話はすぐ終わるのでその後経理部へ行くと言って電話に出る。
4)電話を保留にして上司に、取引先からの電話を取ってしまったがどうすればよいかと尋ねる。
5)電話を保留にして同僚に、電話に出て面会の希望日時を聞いておいてもらいたいと頼み経理部へ行く。

【解答・解説】

『 4 』 正答率 39%
上司の指示で書類を急いで経理部へ届けることと、面会の申し込みの電話が重なってしまったのである。この程度のことはA子自身が考えて、両方に対応しないといけない。上司にどうすればよいかと尋ねるようなことではないので不適当ということである。

コメント)
解説にもありますが、上司に確認するほどのことではりません。問題文はとっさの判断が求められる場面で、準1級レベルかとも思われるところですが、選択肢を読んでいくと4)が不正解とピンと来ます。正答率の低さは受験前に過去問を解く量が少なかったことを表しているのではないでしょうか。上司に確認しなければいけないことはどのようなことでしょうか。領域「職務知識」の秘書的な仕事を理解させましょう。

2級(職務知識)

Q.秘書A子は上司から、取引上のトラブルに関する文書の下書きを渡され、清書して取引先に送っておくようにと指示された。読んでみると、感情的になって書いたようで、失礼な言い方がされていてこのまま出してよいとは思えない内容である。このようなことにA子はどう対処するのがよいか。次の中から適当と思われるものを一つ選びなさい。

1)一時の感情だろうから清書して間を置き、これで出すがよいかと確認する。
2)上司に、感情的な言い方になっている部分があるがこのままでよいかと確認する。
3)清書するとき、相手に失礼な言い方をしている部分を失礼にならない言い方に直して出す。
4)清書して出しておくようにとの指示なので、余計なことは考えずにそのまま清書して出す。
5)このままでよいとは思えないので、清書して二、三日待ち、何も言われなければそのまま出す。

【解答・解説】

『1』 正答率35%
上司から清書して送っておくようにと指示された文面を勝手に直すことはできない。しかし、このまま出してよいとは思えない内容であるなら、秘書のできる範囲のこととして感情がおさまったころに確認する1)が適当ということである。

コメント)
選択肢3の誤答が解答の選択肢1より選択率が上回っていました。文面を勝手に直して出してしまうのは秘書の仕事の範囲を超えています(越権行為)。領域「職務知識」の秘書的な仕事の機能をおさらいしましょう。

準1級(技能)

Q.秘書A子は上司(総務部長)から、「明日の部長会議は議題が多いので午後にずれ込む。準備を頼む」と言われた。次はこのときA子が準備として考えたことである。中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。

1)昼食を用意することにし、準備や後片付けに手間が掛からない幕の内弁当を手配する。
2)昼食の予定は12時だが、会議の進行具合で早まることもあるので15分くらい早くても対応できるように手配する。
3)長時間の会議なので、お茶はいつでも飲めるペットボトルのお茶にして、紙コップとともに机上に置いておく。
4)食事のときのお茶は温かいものを出し、食後にはコーヒーを出す。
5)午後何時までかかるか分からないのでお茶とコーヒーをそれぞれポットに入れ、部屋の隅に控えていてお代わりに対応する。

【解答・解説】

解答・解説 『5』 正答率47%
お茶とコーヒーのお代わりに対応しようと考えるのはよい。しかし、A子は会議のメンバーではないのだから、そのために部屋の隅に控えているなどは不適当。連絡があったらいつでも出せるような態勢をとっていればよいということである。

コメント)
正答率が5割弱と、さほど難しい問題ではなかったと思います。選択肢の文章をよく読みイメージさせるといいですね。会議中に隅に控えているなんて封建時代ではないのだから違和感があります。また、選択肢3の「ペットボトルと紙コップを用意しておく」は時々手を変え品を変え出題される秘書検定部お気に入りの問題です。一見、手抜きのようで間違いではないかと思いがちです。覚えておきましょう。